妙義山アルパインクライミング

行 程
5月26日(月):岐阜〜中之岳神社〜星穴岳〜中之岳神社
5月27日(火):木戸壁右カンテルート登攀。岐阜に戻る
参加者:会員2名

 岐阜からは遠くてなかなか行く機会がないのですが、群馬県の妙義山でアルパインクライミングを楽しんできました

【5月26日:薄曇】
 岐阜を朝4時に出て星穴岳の登山口である中之岳神社に8時に着きました。中央高速道路で後に覆面パトカーに付かれドキッとしました。こんな早朝から取り締まりをやっているのですね。

 中之岳神社駐車場から見た熟達者向けと言われる表妙義の縦走路。アルペンムードこそないものの北アルプスの岩稜より難しいという人もいます。この日本離れした岩峰群が上州の山の特徴です。今日は一般登山道のない、星穴岳に登ります。

中之岳神社には日本一大きな大黒様の金色の像があります。

表妙義の稜線に登る弱点がこのルンゼ。鎖がついていました。

 稜線を辿る縦走路は所々に岩場が現れます。登山靴で岩を登るのは初めてというパートナーに配慮して、最初の岩場ではロープを出しました。火山角礫岩からなる岩なので大きなホールドやスタンスがあるのですが、礫がぽろっと外れることがあり、油断できません。背景には表妙義の縦走路が望まれます。よくこんなところに一般登山道をつけたものです。

西岳を越えると星穴岳に続く稜線が望まれます。とても歩けそうにありませんが、行ってみると弱点があり、縦走できるのが不思議です

途中、どうしても越えられない岩峰があり、一度北側に懸垂下降で降ります。50mのロープ1本ではとどかないので、2本使います。

星穴岳の手前には岩屋がありました。

頂上手前のナイフリッジに懸垂下降の支点がセットされています。下山はここから。

最後の岩場を登れば頂上はすぐそこです。

頂上に立つ満足そうなTさん。背景には遠く浅間山が望まれます。

視界を右に移すと別のピークが望まれました。あそこまで行くのは難しそう。こちらが頂上で良かったです。背景は裏妙義の縦走路。その手前には明日登る木戸壁が屏風のように続いています。

 先ほどのナイフリッジまで戻って懸垂下降で降ります。途中から空中懸垂となりました。降りてからロープを回収しようとしてもどこかで引っかかって回収できません。空中懸垂の登り返しなどやりたくないので、何度もウェーブを送り、なんとか回収することができました。危なかった〜(汗)

さらにもう1ピッチ、長い懸垂下降でクライミングは終了。踏み跡を辿り中之岳神社へと下山しました。

群馬と言えばこんにゃく。中之岳神社の茶店で味噌おでんをいただきました。

【5月27日:薄曇】
 翌日は純粋な岩登りを楽しもうと、木戸壁右カンテルートに挑戦です。前日会ったクライマーから「ヒルがすごかった」と聞いていたので靴に虫除けスプレーをかけて行ったのですが、全く見ませんでした。木戸前ルンゼルートは沢地形なので、そちらにはヒルがいたんでしょうか?
 5時に国民宿舎跡を出て6時には岩を登り始めました。

 2ピッチ目のIV級ルートをフォローで登るTさん。傾斜は急なのですが、例の礫のホールドやスタンスが豊富でグイグイ登れます。はずれないことを祈るばかりです。Tさんはまだ岩登りを始めてさほど年数はたっていないのですが、確かな技術を習得しています。ダブルロープでリードクライマーが交代しない場合は、ロープが絡まってもたつくことが多いのですが、そんなこともなく、リードクライマーのKは気持ちよく登ることができました。

3ピッチ目をリードするK。終了点は「松の木テラス」。

 右カンテルートの終了点にはこんな看板がありました。このルートは懸垂で降りるしかないと思っていたのですが、この看板には落書きのように「頭まであと3ピッチ」と書かれていました。「頭」とは「丁須の頭」のことでしょうか? いやいや「丁須の頭」まではまだまだ距離も高度差もあるはず。少し悩んだのですが、こんな書き込みを信用して身動き取れなくなるのも怖いので、最初の予定通り懸垂で降りることに決定。幸い、今日は後続パーティーもなく岩場は貸切状態です。

ロープは50mが2本あるので、4ピッチ目と5ピッチ目を一気に降りたら、ギリギリ届きました。でも8mmのダイナミックロープの伸びは半端じゃなく、最初は引っ張っても伸びるだけでなかなか降りてきません。これに懲りて、残りの3ピッチはお行儀良く1ピッチごとに切りました。写真は松の木テラスから懸垂で降りるK。

サクサクっと登り終え、妙義神社の近くで一風呂浴び、帰路につきました。横川SAで「峠の釜めし」に舌鼓を打ち、5時過ぎに岐阜に戻ることができました。

written by S.K.