池郷川水系冬小屋谷(沢登り)

池郷川水系冬小屋谷(沢登り)

日程 2021年6月26、27日

山域 大峰

メンバー 会員1、会員外1

6月26日
08:30 駐車地点
09:15 池郷林道Co524m地点
10:15 冬小屋谷出合
16:30 八丁河原
18:00 Co750m二俣
18:30 宿泊地(Co800m)
6月27日
09:00 宿泊地(Co800m)
10:00 Co880m三俣
12:00 稜線
13:45 林道ゲート
14:30 前鬼林道出合
15:45 駐車地点



通過ルート

今シーズン初の泊沢へ。

6月26日

池郷林道入ってすぐの土砂崩れ。

いきなり出鼻をくじかれる。

池郷林道Co524m地点からの踏み跡は明瞭で、大きな取水堰堤に導かれる。

冬小屋谷出合を目指すが、いきなり足がつかない。

冬小屋谷は左岸岩壁の奥。



冬小屋谷出合すぐの30m滝。
登れるわけもなく、左岸巻き。
滝周辺を発達した岩が囲むので、いきなりロングな大高巻き。

左岸ルンゼ付近で沢に復帰。


沢に入り、ヒートアップした体をクールダウン。
泥や木くずも落ちてゆく。



すぐに17m滝。

遠くから見ると絶望だったが、近寄ると右壁に可能性が。

気持ち悪いのは下部で、上部に行くほど簡単に。
ただプロテクションが非常にとりにくい。
17m滝のはずが、蛇行したためか30mロープで尺が怪しい。
残り5,6mを残し、ピッチを切る。

2ピッチ目落ち口から。



すぐに釜の深い12m滝。
これも右壁。

そのすぐ上の10m滝。

登るラインすら見いだせず、左岸巻き。


その後はすこし癒し区間。

癒し区間が終わり、本山行一番の核心部へ。
2段13m滝。

1段目、この腰ほどの高さをノープロテクションでマントルを返すのがヤバかった。
マントル後、なんとか#0.2を決め込んだが…

2段目は#0.2以降全くプロテクションが取れず。
かなり緊張の登攀だった。
フォローのIさん。

フォーローでもこのマントルは気持ち悪い。


1日目はこれ以降、ロープセクション無し。
が、すでにきわどいリードで疲労困憊。

15m滝。

左岸で簡単に巻ける。

2段7m、簡単。

八丁河原の手間の5m滝。
右岸、左岸どちらでも巻ける。

左岸巻きの方がコンパクトに巻ける。
時間おしていて挑戦できなかったが、これも直登いけるかも。



ようやく八丁河原。

薪も豊富で乾いている。
休みたい、泊まりたい気持ちを抑え、先を急ぐ。


八丁河原を越え、再びゴルジュへ。

CS3m滝の後の5m。
右岸巻きした。時間があったら挑戦したかった…

その後は、時間との闘い。
ヘッデン遡行となる前に片を付けたい。

大岩手前の淵も泳ぐというか足がつかないだけ。
大したことはない。

出口のナメ滝も簡単。


二俣手前のゴルジュ終了を知らせる大岩。

そろそろフィニッシュとしたかったが、Co750m二俣は泊まれそうにない。

これはもう少し進むしかないと、腹をくくる。

二俣すぐの4m滝。

左岸をへつるが、ルート取りムーブとも容易。
苦労するかと思われた二俣からの廊下はあっさり終了。

Co800mにてようやく行動終了を決断できる地形にたどり着く。

下地は乾燥しているとは言えないが、寝るのには十分平坦。
薪は大量にあるが、ほとんどが湿っていて、およそ半数は腐っている。
疲労困憊の中、薪を全力で集め、焚火に集中。

焚火が軌道に乗って、夕飯のカレーを食べ終えた頃には、日をまたぐ手前だった。



6月27日

1日目遅くまで頑張った分、2日目は気楽だった。
降雨により多少増水しても、計画通り稜線へ抜けられる。
そんな気持ちで朝を迎えたのだが…

雨が一滴も降らなかった。
予報からすると奇跡的だ。
テン場に着いてから、半日降らなかったことになる。
ラッキーだった。

車を土砂崩れによりかなり手前に駐車したことで1日目は時間的余裕をそぐこととなったが、その分下山路は短くなった。2日目の精神的余裕は大きい。


テント場からすぐにゴルジュへ突入。

13m滝。
体が温まる前だったが、ラインもムーブも難しくなさそうだ。

その後は印象に残るような部分もなくCo880m三俣へ。

このあたりも下地が乾いていて、薪も豊富。
平らな部分も結構ある。
翌日、別の沢の遡下降や継続があるならここで泊をすると計算が立ちやすい。
我々もあと1時間早ければ、ここで宿泊することが出来たが…
とはいえ、Co800mの宿泊地も悪いところではなかった。

三俣後は谷は傾斜を強める。

20m滝。
らしいが、あきらか30mはあると思う。

傾斜が少しマシで、かつ、登れなかったらブッシュに退路が取れそうな右壁に取り付く。

ブッシュを使って左岸から滝落ち口付近へ。

水は切れそうでなかなか切れない。
傾斜の強いゴーロと枯滝のミックス帯は稜線直下付近まで続いた。

枯滝の先にいよいよ稜線が見えてきた。

稜線に到着。
ガスが幻想的。


下山方向の踏み跡。

わかりやすいところだとこんな感じ。
大部分こんな感じだが、進路のとる方角が大きく変わるところが、わかりにくく踏み跡を見失う。



しばらく踏み跡や稜線を忠実に進むと、明らかな人工物に出くわす。

ここから先、天国のような林道跡へ。

が、油断してしばらく進むと行き止まりに。
行き止まり地点から少し戻り、尾根の踏み跡をたどる。
そうすると、再び林道跡へ。

この林道跡は、我々の期待を裏切ることなく、林道ゲートまで導いてくれた。

それでも林道跡から、駐車地点まで2時間。
車道歩きは精神的にこたえた。
1泊2日の沢登りの下山時間が4時間弱というのは標準的??

冬小屋谷を計画するにあたり、あまりネット上で遡行記録を拾えなかった。
計画時、下山のコース取りや時間が不透明なため、八丁河原で1日目終了は決断できなかった。

だが、車1台をこのゲート付近にデポれば、さらにこの沢は楽になると思う。
1日目が八丁河原でも、余裕ではないだろうか。