中央ルンゼ~成城大ルート~源次郎尾根(継続登攀)

中央ルンゼ~成城大ルート~源次郎尾根

日程 2020年8月8~11日

山域 北アルプス

メンバー 会員2名

8月8日
07:00 立山駅
08:10 室堂着
08:15 室堂発
10:30 劔沢キャンプ場着
13:30 劔沢キャンプ場発
15:15 中央ルンゼ取り付き着
19:00 劔沢キャンプ場着
8月9日(停滞)
12:00 劔沢キャンプ場発
13:00 中央ルンゼ取り付き着
13:15 中央ルンゼ取り付き発
14:30 劔沢キャンプ場着
8月10日
04:15 劔沢キャンプ場発
05:30 中央ルンゼ取り付き着
05:45 中央ルンゼ登攀開始
09:30 中央ルンゼ登攀終了
10:00 成城大ルート取り付き着
10:30 成城大ルート登攀開始
15:00 源次郎尾根1峰着(登攀終了)
15:15 源次郎尾根1峰発
16:30 劔岳着
16:45 劔岳発
18:45 劔沢キャンプ場着
8月11日
07:00 劔沢キャンプ場発
09:00 室堂着
09:15 室堂発
10:22 立山駅着

通過ルート

台風から変わった温帯低気圧の影響が心配。
源次郎尾根1峰の下部と上部のフェースをつなげて、初の劔岳ピークへ。

8月8日
室堂はしっかり曇っており、涼しい。

剣御前小屋までの登りは、本当に晴れてなくてよかった。
晴れていたら、猛烈な暑さでのどが渇きまくったに違いない。

剣御前小屋付近からは、体のふらつくような強風。
ガスは晴れることなく、時折小雨を交え、劔沢キャンプ場に到着。

依然、強風は続くため、張り綱と周囲の石でしっかりテントを固定。
ペグだと簡単に持っていかれる…

雨が止むのを待って、いざ中央ルンゼの偵察へ。


平蔵谷は思ったよりも勾配があって、疲れた。

中央ルンゼを探していると、それらしいルンゼを発見。

が、これはトポを参照すると「右ルンゼ」であると判明。
事実、他パーティーの過去の記録見ても、ここを間違って登ってしまったものもあった。

これが探していた「中央ルンゼ」。

上部の濡れている部分がF4にあたる。

取り付きの下見だけのつもりであったが、濡れていても登攀可能かが気になった。

雪渓から平蔵谷左岸に取り付き、中央ルンゼへ。

F2をフリーで進み、F3基部へ。

F3の左側壁は右側こそ濡れているものの、左側を中心に登れば登っていけそうだ。

その上のF4も気になる…
F3を急遽、登ることに。


F3終了点から見上げたF4はびちゃびちゃ。
が、下部こそ多少濡れるのを我慢してチムニー部を登り、中間部以降はフェースを登れば、そこまで濡れずに済みそうだ。
実際どうなのか、試したい気持ちではあったが、時間も時間なので偵察はここで終了。

劔沢キャンプ場に戻ったころには、薄暗くなっていた。

8月9日
3時起床時に相変わらずの強風に加え、テントに雨が吹き付ける。
劔沢キャンプ場は幸い、携帯の電波が入るのだが、予報やレーダーを見ても昼過ぎまで何度か厄介な雨雲が通過しそうだ。
テントの外に出ることもせず、停滞決定である。
隣のテントにいるMさんに、停滞であることを告げ、再び眠りにつく。

昼過ぎ、することもないので、再び中央ルンゼの偵察へ。

前日より明らかに水量が増えて、濡れている部分が大きくなっていた。
さらに水量がアップしないことを願い、引き返す。


劔沢キャンプ場に戻ると、天候が徐々に回復。
翌日登る、中央ルンゼの上部、成城大ルート及び岩次郎尾根1峰から劔岳ピークまで見ることが出来た。

8月10日
風は多少残るものの、雨は降らなかった。
薄暗い中、すでに数パーティが行動を開始していた。

平蔵谷出合で他パーティと離れ、中央ルンゼへ。

まぁ、乾いてはいないが、前日よりはかなりましだった。
F3をMさんリードで登攀開始。


F3ビレイ点から。F3をフォローする私。

さて、F4であるが相変わらずだった。
初日の作戦通り、下部チムニー、中間部以降フェース作戦で。
言い出しっぺの私がリード。



F4は取り付きから見えない部分は、水が流れていても濡れずに済む感じだった。

F5前で小休止。

ここも私がリードさせていただく。


F5の左岸側壁がすごい。

中央ルンゼのラストF6。

どこからでも登れそうだってことで、私は左岸から、Mさんは右岸から登る。
これが間違いだった。
左岸を登っていた私は、難なくF6上部へ進めたが、Mさんの右岸は悪そうだ。

結局藪をこぐ羽目になり、右岸からハイマツを使って懸垂下降し、沢に復帰。


もう見上げれば、源次郎1峰の上部フェースだ。

今度は、成城大ルートの取り付き探し。
下見はできてなかったので、不安だったが30分ほどで発見。

成城大ルート1ピッチ目をMさんリードで開始。



かなりブッシュの多いピッチだった。

2ピッチ目は交代。
ハイ松テラスを目指す。


テラスっぽいところでピッチを切ったが、もう10m上にもテラスが見えた。
短く切りすぎたと判断し、さらにそこからロープをのばす。


ハイ松テラスと思ったところは、3ピッチ目の終了点であると判明。
下のテラスが本当のハイ松テラスであった。

核心とされる4ピッチ目。
連続して、私がリード。




5ピッチ目は交代予定であったが、立ち位置から交代が難しい。
Mさんには悪いが、最終ピッチも行かせてもらった。


ハンギングビレイ初体験のMさん。

ブッシュに突っ込んで、最後岩のリッジを登れば終了。

ほっと一息が顔に出た。

クライミングシューズから登山靴へ。
あとのタスクは、初の剱岳登頂のみ。



山頂はガスの中。

眺望は二の次であるから、まぁいい。

時間も遅かったが、源次郎尾根ワンデイをやっている4人組に写真を撮ってもらった。
今から早月尾根を下るという。なんてタフなんだ。

下りは一般道。気を付けて帰るのみ。

ヘッデン下山になる前に、劔沢キャンプ場に到着。

やり遂げた!
いやぁ、ほんと疲れた!!

8月11日
この日も劔岳はガスの中。

まっすぐ室堂を目指し、下山。
ありがたい臨時便により、待つことなくスムーズに立山駅まで下りられた。

劔沢キャンプ場ではフリースが当たり前。でも下界では非常識。
暑すぎた。
温度差で体調を崩しそう…

剱岳周辺には他にも、劔尾根主稜、八峰Dフェース富山大ルート、チンネ左稜線など、登ってみたいルートが多すぎる。