白川又川奥剣又谷(沢登り)

白川又川奥剣又谷(沢登り)

日程 2020年7月23〜24日

山域 大峰

メンバー 会員2名

7月23日
06:30 小谷川林道ゲート発
07:00 大栂山取り付き
07:45 大栂山稜線着
08:00 大栂山稜線発
09:30 フジノトコ着
09:45 フジノトコ発
12:15 火吹谷出合着
12:30 火吹谷出合発
17:00 水晶谷出合着
18:15 口剣又谷出合着
7月24日
08:15 口剣又谷出合発
09:15 Co1200m二俣着
11:15 Co1630m二俣着
12:30 八経ヶ岳着
14:45 行者還トンネル西口着

通過ルート

7月下旬の4連休は、遅い梅雨明けで散々に。
本格的な雨が降る前に、1泊2日で大峰の秀渓へ。

7月23日

当日まで天気予報との「にらめっこ」は続いたが、賭けに勝ったようだ。

小谷川林道ゲートから歩くこと30分。
山の斜面に向かって左手にモノレール跡のある小屋のあるあたりから、稜線目指して登り始める。

道なき道をコンパスの指す方向へひたすら進むと稜線より少し手前で、明瞭な踏み跡に合流。

稜線付近の登山道と思われる踏み跡に合流してから、フジノトコに至る尾根までは、所々崩壊あるものの明瞭。

尾根の途中から見えた白川又川。
この水量なら全然やれそうとワクワク感しかない。

尾根に入ってからも、一箇所Co850mあたりの尾根の分岐がわかりにくいぐらいで、基本尾根をトレースすればうまくフジノトコへ出られた。


フジノトコは素晴らしいところ。
淵にはアマゴがウヨウヨ。
時間があればここで1泊したいものだ。


久々にスケールの大きい沢なので、俄然テンションが上がる。
まずは火吹谷出合を目指すのだが、泳ぎセクションがなかなかにある。


噂通り水は、大峰の沢にしては冷たい。
カッパを着た体もすぐに冷えまくる。
震えが止まらないため、ヘツりでいけるところは極力ヘツる。


でも、結局泳ぐしかないところは、腹を括るしかない。
ちょうどこの先が中ノ又谷の出合だった。

写真右手の岩にとりつきここは簡単に抜けられる。


左が中ノ又谷、右が白川又川本谷。
出合の水量が凄い。

出合を進むと上部の幅広い6mナメ滝。


滝左壁を登り越えた。

火吹谷出合手前の3m。

難所というわけではないが、とにかく釜や廊下が深い。
ヘツれなくなると泳がされ、そのたびに体温をそがれていく。

火吹谷出合に到着。
平和だ。

泊地としても申し分ない。

ここで熱源を補給。
そして少々のお遊び。

しっかり遊んでしまったため、先を急ぐ。

地形は再び両岸を岩が囲み始める。

泳ぎの距離が長いところは、1人が空身でとりつき、後続を荷物ごと引っ張るのが省エネだった。

泳いだ先は…

赤い壁の特殊なゴルジュだった。

程なくして、12m斜滝。


テラス状のところに左に入るワンムーブが少し嫌なだけで、難しくはなかった。
それよりも釜の泳ぎの体温低下の方が堪える…

2段3m


これは腰まで浸かってしまった。

次の3m


これはヘツれて温存成功。

その次の3m。


がっつり取り付きまで、泳がされてしまった…

そして、とどめの長淵。


滝左壁の右側へ入るのに苦労した。

あとは、カムでランナーを1つとり、抜けは容易。

左岸巻いてしまえば、簡単かつ時短になるのだが。

長淵の後もすぐ泳がされてとりつく。3m滝。

続く5m滝。


右岸をヘツりきり、濡れずに済んだ。

ここを越えたら、水晶谷出合だった。

時間は17時。
疲れもかなりきている。

ただ、初日に口剣又谷出合まで行きたい我々は出合奥に見えるあの滝を処理しなければならない。

とりあえず近づいてみるが、どう見ても登れない。直瀑20m滝。

右岸を少し戻ったルンゼから高巻いたが、本山行中一番の大高巻きだった。

沢に戻るとまたもやゴルジュ地形。

「もう勘弁して…」と思い進むと大したことなく、抜ければ口剣又谷出合だった。


左岸から流れ出る滝が今回遡行予定の奥剣又谷であることは、他の参考記録で明かされている。
が、それを知らなければ、通過してしまいそうである。

タープを張って、薪を集め、焚き火をしてと、いつもの仕事が始まる。



夜も雨に降られることなく、ゆっくり外で食べられてラッキーだった。

7月24日

まさに起きると目の前に奥剣又谷の滝。

雨はポツポツ降ったり止んだり。

とりあえず、滝を巻くために奥剣又谷出合上流の左岸にあるルンゼを伝い高巻く。

巻きは意外とコンパクト。
滝上に出た。

進むと20m。

登れず右岸を巻いたが、これもコンパクトにすんだ。

すぐに、9m。
これも登れない。

左岸巻きだがこれもコンパクト。

コンパクトな高巻きは疲れた体に優しい。

大きい枝谷が左岸から入る。

この辺りまで初日に進めたら、もっと快適な泊生活が送れただろう。

快適な泊地からCo1200m二俣まで難所はなし。

3m、4mクラスの小滝をいくつか処理。

ナメ滝3段15mも容易。


フットスタンスは豊富だった。

この日のハイライト。
3段15m。

2人で、プロテクションが取れそうな位置やルート取りを確認し合う。


危なげなく慎重に突破。

滝の水が冷たかったので、後続の私は少々雑に登った。

そこからは天空へと続く長いナメ滝の連続。



どんどん高度があがって行く。

振り返ると山の稜線が遠くに見える。

ナメ滝登りに疲弊した頃、12m滝。

他の記録で遡行を打ち切ることの多いポイント。

右岸を見ると斜面に向かう明瞭な踏み跡。
しかし、我々は計画通り1630mの二俣を目指すこととした。

木のおかげで登りは容易。

進むと計画していた二俣に着いた。

このガレガレの右俣を進む。

すると正面も岩壁、左右も岩壁という場所に至った。


うまくルート取りし、ルンゼを進む。

難しいセクションであっても、微妙なムーブ等は1手2手程度。
進むうち上部が明るくなり、岩のサイズも小さいただのガレルンゼに。

ルンゼをそのまま進むと、岩壁は現れることなく稜線に出た。


5分ほどで八経ヶ岳。
雨は降っていなかったが、風が強かった。

下山は行者還トンネル西口へ。
最後の下りの勾配はなかなかに堪えた。

悪天予報の4連休において、中々の充実した沢登りだった。