栗代川(沢登り)

栗代川(沢登り)

日程 2018年9月22~24日

山域 南アルプス

メンバー 会員3名

9月22日
06:00 朝日岳登山口駐車場
06:45 栗代川出合
09:30 取水堰堤
13:45 ほおしろ沢出合
14:45 板屋沢出合付近

9月23日
06:30 板屋沢出合付近
12:00 こっぱ沢出合
14:00 倉沢橋
16:00 Co1450m付近

9月24日
07:00 Co1450m付近
09:30 稜線
10:00 大無間山
14:00 お立ち台下降点
16:30 千頭ダム
19:00 朝日岳登山口駐車場

通過ルート
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9月の第二3連休。
先週の若干消化不良に終わった黒蔵谷。
いよいよ今シーズンの締め。
相談の結果、行き先はスパイシーな栗代川となった。

9月22日
取水堰堤までは栗代林道を使い、下部を省略することができるらしい。
ただ、そのアプローチに不安があったため、栗代橋から入渓。
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この地方では遡行前3日間で60mm程度の降水があったらしい。
河原歩きのはずがまぁまぁな水量。
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取水堰堤に到着。
水が全面を流れている。
同年の7月14~16日に同沢をファイントラックの方々が遡行した記録を閲覧したが、その時と同等ではなかろうか。
これから現れる核心部に不安とワクワクがこみ上げる。
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いよいよ沢はゴルジュ状を呈してくる。
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「八丁暗見」1stトライ。
3人とも荷物を背負ったまま、Mさんを先頭におしくら饅頭的に通過を試みる。
水面が腰~胸辺りに達したところで、一向に進まない。
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2ndトライ。
じゃんけんで負けた人が空身で突破を試みることに。
Mさんが突破の権利を獲得したが、右岸の流れのぶつかる部分をあと少しのところで超えられない。
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3rdトライ。
流れに疲弊したMさんと交代。
Mさんと同じラインで泳ぐが、流れが強く超えられない。あと1mほどが進まない。
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4thトライ。
左岸に進路を求めるが、全く進まず。
5thトライ。
右岸の側壁を登りジャンプ。
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流れが右岸にぶつかるところまで到達し、突破できた。
後続はロープで引っ張る。体温も奪われなかなかの疲労だ。
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観光名所の「鶴の天」。
ここは水量の影響もなし。
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その後も、渡渉や少々の泳ぎが続くが、「八丁暗見」ほどのところはなし。
ほおしろ沢出合に快適そうなテン場があったが、ここを過ぎ、板屋沢手前で行動を終了。
寒さで凍える体と濡れた衣類を焚き火で乾かす。
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前回も大成功だった親子丼。
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釣り上げた岩魚は3枚におろし、塩焼きと刺身に。
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9月23日
本日は核心部「竜神ノ瀬戸」を通過する日である。
「八丁暗見」であれほど苦労させられて、パーティー全体に不安の影を落としていた。
ふとテン場近くの素面を見ると、2cmほど減水していたように思えた。
なんとかポジティブな材料を探しながら遡行を開始する。
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気を使う渡渉、ぬめった滝の側壁、一歩が高いFIXのかかった岩。
ゴルジュ手前から楽しませてくれる。
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ゴルジュの入り口。
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途中まで左岸を進み、流れをジャンプで飛び越え右岸に渡る。
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ゴルジュ内に流入してくる支流は全て滝だ。
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奥に20mほどの淵と1mほどの滝が見えてきた。
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この左岸をへつりきり、1m滝の落ち口へ。
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後続には、可能な限りへつってもらった。
落ちたらFIXロープを使って強引に引揚げた。
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その後の左岸のトラバースにも念をみてロープを出した。
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ここにきてゴルジュはさらなる狭まりを見せる。
流れが一段と強くなる。
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振り子トラバースの記録がある岸壁が見えた。
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まずは左岸の湾曲部に入らなければならない。
左岸を少しへつり、流れをジャンプで飛び越える。

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後続も同様に乗り切る。
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その後、振り子トラバースはせずともここはフリーで抜けられ、「竜神ノ瀬戸」核心部へ。
Mさんと流れに巻き込まれたときの打ち合わせを入念にする私。
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1stトライ。
左岸をへつりジャンプ。
幅1mほどの流れを超えようとするが、体にその流れが触れた瞬間上下左右がわからなくなるほどに流れに巻き込まれ、Mさんに引揚げられる。
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2nd~5thトライ。
高度を上げてジャンプしても、流れに体が当たると結果は同じ。
寒さと疲労感に敗退がよぎる。
他メンバーもその場にいるだけで、相当寒かったと思う。

6thトライもあえなく失敗に終わるが、右岸の太い流れがぶつかる岩に触れることができた。

これにヒントを得た7thトライ。
そろそろ気力・体力ともに限界。
流れを垂直に横切るのではなく、流れに沿うように飛び込む。
なるべく高所から。
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左岸をキャッチすることに成功。あとは反転流に飛び込み、対岸へ上陸するのみ。
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後続はロープで引っ張れば終わりかと思っていたが甘かった。
荷物分の抵抗もあり、流れを横切ることができない。
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全てのリュックを先に引き上げ、人間だけを引揚げることに。
作戦は成功し、「竜神ノ瀬戸」核心部を越えることができた。
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「竜神ノ瀬戸」の最後は右岸をへつり、左岸に飛び込み。
滝の右壁を登り、難所は終了。
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「竜神ノ瀬戸」終了後は平和なゴーロ歩き。
いつもなら退屈でたまらないが、この日は安堵感に包まれる。
倉沢橋を過ぎ、最初の20m滝を越えたところで疲労感MAX。
右岸に平らな地面が現れたところでこの日の行動を終了した。
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9月24日
3日前の天気予報では崩れる予定だったが、好転したようだ。
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沢もいよいよ詰めで水量も知れている。
勾配がきつくしんどいが、難所らしいところはない。
稜線まで20mの滝2本があったぐらいで、順調に沢を詰め稜線。
そして頂上へ。
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帰路の三方崩までは明確な踏み跡で順調に進む。
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しかし、その後は倒木と笹、獣の踏み跡でルートがわかりにくい。
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お立ち台下降点辺りから、踏み跡が俄然明瞭となり、順調に進めた。
千頭ダムに到着は16:30.
そこから林道歩きで、駐車場到着まで2時間30分。
久しぶりのヘッデン下山となった。
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駐車場近くにある寸又峡温泉「求夢荘」へ。
日帰り入浴500円。
女将さんが親切で、湯質も最高。
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2日間にわたるゴルジュ内の水流突破、そして長い下山路。
沢中も沢後も苦労させられた本山行であるが、充実感はとても大きい。
今シーズンを締める沢に栗代川を選んで本当に良かった。