バリエーションルート白馬主稜へ、そして・・・

山行日 2017/4/15-16 
参加者 4名

我々が今回挑んだ相手は白馬主稜、この時期しか迎え入れてくれない山。
メンバーは破天荒リーダーKくん、最近復帰した山スキー屋Tさん、
頼りになる経験豊富な中津川のFさん、そしてついていけるか不安な私M。
天気予報があまり芳しくなかったのが、日が近づくにつれ回復傾向の予報に変わり、
初日に二俣の駐車場に着いたときには晴れ間も見えていた。
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夏は車で通れる猿倉までの道のりも冬は歩かなくていけない。
しかも5kmにおよぶアスファルト。山屋にアスファルトの道はきつすぎる。
ブツブツ文句をいいながら、足を前に出す行為を繰り返す。なぜか、小雨も降ってくる。
猿倉からは雪もついて、さあ、歩きやすくなるぞっと思いきや、
寒の戻りで最近降った新雪と今降っている雨の影響で、ふわふわの雪に足を取られ、ずぼずぼはまりまくる。
初日の目標はⅤ峰まで。そこで、テントを張り、二日目に主稜を目指す。はずだった。いつかやむとみんなが思っていた雨は、
気がつけば本降りに変わった。雨でザックはどんどん水を含み、重量を増していく。
そんなに傾斜がないルートなのに一歩一歩が重くてしょうがない。足は相変わらずはまって仕方がない。
雲行きから見て止みそうもない雨が止んでくれることを必死に願うが、当然止まない。地獄。
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正午過ぎに白馬尻にたどり着く。目標はまだ先。
だけど、この雨ではここから先に向かうのは危険を伴うとのFさんの判断に従い、ここでテン泊することにした。
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疲労困憊の中、テントを張り、ガスを炊いて暖をとる。とにかく、濡れた服と体を乾かしたかった。
ただ一人元気なKくんは、「万里の長城を作る」とか言って、雨の中にも関わらず、雪のブロック塀をひたすら作っていた。
そんな彼をほっといて、年寄り3人組は早々と酒を酌み交わし、早々に酔っぱらいと化す。
全然帰ってこないKくんに気づいたときは、もう2時間ほど飲みあかしていた。
Kくんを強制的にテントに呼び込み晩ご飯にする。今日のメニューは坦々鍋。私の定番メニューになりつつある。
でも鍋にしてほんとによかった。冷えた体にしみいった。
そして、デザートにアイスクリーム。雪山でしかできないメニュー。
初めて作ったけどなかなかよかった。そして、夜は更け・・・
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二日目、3時半にテントを出発。ほんとは2時に出たかったが、前日にかなり体力を奪われた影響もあってその時間となってしまった。
月明かりの中、のっけからの急登。私は最初っからほとんどダブルアックスで突き進む。
しっかり雪がついているように見えた斜面だったが、いきなりシュルンドが何ヶ所にも出現したりして行く手を阻む。
そうこう進むうちにご来光を拝み、天気は昨日とは打って変わって抜群。
(日焼けが!)周りの景色もすばらしく、少しもきついなんて思うことなく、楽しくてしょうがなかった。
実のところ、私は夏山でもバリエーションの経験はほとんどなくて、雪山も経験が浅く、ほんとに不安だった。
でも、もともとアルパイン志向だから自分がこんなルートを登れているってことにすごくわくわくしていた。
しまっていない雪に前爪をかけていくことでふくらはぎはめちゃめちゃ痛かったが、それも楽しいと思えた。
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と思っていたけど、やっぱり昨日の疲労は半端なく体を蝕んでいたんだと思う。
さすがにKくんの歩みはすばらしく早かったが、なかなか追いつくことができない。
それでも私達はすばらしい景色に囲まれながら、順調に歩みを進めていたと思っていたが、Ⅴ峰手前で突然撤退を強いられることになる。
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結局、この日に入ったパーティーは4組。一番先頭は、山スキーチームだった。
山スキーは荷物が重く、確実に歩みを進めるためには危険を感じるところは必ずザイルを出して行かなければならない。
だから時間がかかるため、ついていけば確実に山頂に着く時間も遅くなる。
ならば、抜かさせてもらってという判断もあるが、この日はまだ、トレースがついていない初登。
ラッセルをして果たして予定時刻に山頂に着けるかどうかそれもまた微妙なところだった。
山スキーは登ったら最後山頂まで行かないと降りられないとTさんが教えてくれた。
で、他3パーティーが選んだのが撤退という判断だった。みんな山頂に行きたかった。
相当考えて出した判断だった。この時点で、8時半。お昼頃に山頂に着かなければ帰りが危ぶまれる。
どのパーティーも無理だと判断したのだ。
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ただ、そこからの撤退がほんとに大変だった。
順調に山頂を踏めれば、大雪渓を滑り降りる快適な下山となるのだが、
撤退となるとここまでダブルアックスで登ったところをクライムダウンする訳で、
少しでも危険なところはスノーバーで支点をとり、ザイルで懸垂下降するという形をとらなければならない。
当然、支点を作る時間、一人一人確実に降りる時間、体力は使わないまでも、
その時間がかかるというところで精神的な疲労、そして待っていなければならないため体は冷える。
登りで5時間かかった行程が、撤退に9時間を要してしまう結果となった。
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そして、テン場についた頃にはもう薄暗がり。駐車場についた頃にはもう真っ暗だった。
テン場に着いたとき、山スキーチームと出会ったことで、やはり山頂に行っていたら危険だったことが再認識された。
今回は、初日の雨で体力が奪われたこと、白馬尻でテントを張らなければならなかったこと、
初登であったこと、それらが撤退の原因と思われるが、私としてはとてもいい経験になったと思う。
この撤退は今後絶対に役に立つ。
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山頂はまた来年以降、必ず踏む。だから、タイトルの・・・は未来へつなげるという意味でつけた。また、絶対行くから。
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コースタイム
1日目 二俣7:00 – 猿倉9:00 – 白馬尻12:00 (テン泊)
2日目 白馬尻3:30 – 主稜上6:30 – Ⅴ峰付近8:30 – 
    白馬尻18:00 – 猿倉19:00 – 二俣21:00